実のところ、信じてはいなかったが、全く興味がないわけでもなかった。『裏世界のゲート』そのものには確かに興味はない。だが「行方不明」という単語が、俺の中ではとても胸に刺さる言葉だったのだ。今から3年前、俺が中学1年の時のこと。当時俺には、歳が4つ離れた、尊敬していた姉がいた。しかしある日、姉は突然「行方不明」になった。俺も両親も姉の事が大好きだったので、警察にも連絡し、血眼になって探し回った。しかし、何ヵ月探しても見つからなかった。警察は3ヵ月も一緒に探し回ってくれたが、他の事件の捜査などもあったらしく、捜索は打ちきりになった。そのときは、俺も両親ももう諦めてしまっていた。おそらく、何かの事件に巻き込まれ、もう帰ってこないだろうと思っていた。だからこそ俺は、『裏世界のゲート』の有無をはっきりさせておきたかった。