「なら、教えといてやる。この学校にも七不思議というものがあるらしいんだ。そのほとんどは、どっかで聞いたことがあるようなやつばかりだし、どれも信憑性がない。だけど一つだけ、結構信憑性があって、なおかつとても面白いやつがある。『裏世界のゲート』ってやつだ。」
「裏世界の・・・ゲート?」
少し興味のあるふりをしたが、正直全く興味がない。所詮噂なんてものは、九割が嘘だ。どうでもいいとは思ったが、嘘だということを証明して、心のなかで嘲笑ってやりたいという、ひねくれた感情が生まれた。なので、そのゲートを見つける方法は聞いておくことにした。
「その『裏世界のゲート』とやらは、どこにあるんだ?」
「放送室」
「へ?」
「夜の二時に放送室の扉をあけると、裏世界に行けるらしい」
がっかりした。想像していたよりも信憑性のない話だった。そんなレベルのことが噂になっているのか。俺はとても残念な気持ちになった。