昼休み、わけもなく外の景色をみていた。グラウンドでは、下級生たちがサッカーやらバドミントンやらをしていた。俺はあまり汗をかくのが好きじゃない。だから昼休みも、こうやってなんとなくぼーっとして過ごす。しかし今日は珍しく、前の席のやつが話しかけてきた。
「なあ、お前、あの噂知ってるか?」
突然の質問に少し驚いた。
「噂?」
俺は聞き返した。噂というのは、友達とかから自然とまわってくる、不確かな情報のことだ。だから、あまり友達のいない俺としては、噂というものを聞いたことがほとんどない。
「この学校の七不思議のことだよ」
「七不思議?」
なんだそれ、小学生じゃあるまいし。
「知らない」
俺は正直に答えた。