お兄ちゃん、だめ... そんなとこ…かじっちゃだめ…

「わ、私具合が悪いから、自分の部屋で寝てくるね!!」


もうここに…
お兄ちゃんのいるとこにいたくなかった。


「えぇ~。未央大丈夫ぅ?」

「大丈夫」

ちなみに
渚の言葉は私のことを心配しているように聞こえるけど、そんなことはない。

だって渚の目は2人っきりにしてくれてありがとうーっと言わんばかりにキラキラと輝いているし。
…ほんと分かりやすいんだから。

でもね、渚ちゃん?
親友なんだからもうちょっと心配してくれたっていいんじゃないかな?

まぁ、人生には妥協と諦めは付き物だし仕方ないけどさぁ。

それになんか憎めないんだよね、渚って。


分かりやすい渚に、呆れつつも微笑ましく思っていると、「未央」とお兄ちゃんに声をかけられる。

そのままお兄ちゃんへと視線をずらすと、

お兄ちゃんが何か言いたげに、私を見つめていた。

「じゃあ、渚と仲良くね」

でも今はお兄ちゃんとお話しする余裕なんてないよ。


私は気づかないフリすることにして、すぐ二階へと上がっていった。