ヤツは、この手紙がラブレターだという事を知っていた。

...その上で破いたんだ。

それなのに、全く悪びれる様子も無く、あろう事か不機嫌そうに私を睨みつけてくる。

「こんなもん...お前に貰ったところで迷惑なだけだろ、相手の男も。」

「...なにそれ」

「だいたいなぁ、入学式で一目見ただけで好きとか有り得ねえだろ。」