「…おはよー…」


「あ、弥生。おはよ」



市立東高校。

偏差値、普通。
進学率、普通。
風紀、普通。
制服、普通。


あれから8ヵ月。

普通としか言いようのない
この高校に進学したあたしは、
そこそこ楽しい毎日を送っていた。


普通に勉強して、
普通に遊んで、
普通に騒いで。


だけどやっぱり「普通」じゃない。

勉強するときも遊ぶときも騒ぐときも
「普通」に隣にいた章太朗がいない。