4月。
櫻井羽歌、今日から高校2年生。
久しぶりの学校。
学校は嫌いじゃない。
大好きな友達に囲まれて、楽しく青春を送ってる。
けど、私は3月初めにある事件を起こして謹慎処分を受けていた。
進級できたから結果よしだけどね。
久しぶりに教室に入る。
「羽歌!?大丈夫だった!?」
「大丈夫だから今いるんでしょー?」
話しかけてきたのは部活も同じ親友、高坂詩音。
可愛くて優しくて癒し系。
彼氏もイケメンだし、正直羨ましい笑。
「羽歌は頭で考えるよりも先に手が出るからなぁー笑。」
「今回だけだよ笑。」
「部活は来る?」
「うん、ちゃんと行くよ。」
ちなみに部活は男子バスケットボール部のマネージャー。
小中は一応選手だったけど、高校ではプレーしたくなかったからマネージャーになった。
「そうだ、祐翔に呼ばれてたんだ。行ってくるね。」
「あ、じゃあ祐翔に今日の部活の事聞いといて〜。」
「はいはい笑。」
詩音を置いて祐翔の所に向かう。
ちら、と窓の外を見るといつもの場所に相澤先輩がいた。
相澤先輩…まだ愛美先輩の事好きなのかな…。
相澤先輩は去年の冬、当時付き合っていた彼女、東城愛美先輩を交通事故で亡くしている。
それからは部活来てないっけ。
よく中庭の奥のベンチに先輩を見かける事はあった。
でも、誰も近寄れない。
そこは愛美先輩との思い出の場所らしいから。
詳しいことは私も知らないけど、そこでお昼食べてたのかな。
告白した場所かな。
相澤先輩を見つつ色々考えていた。
…あ、祐翔の所行くの忘れてた。
私は相澤先輩を後にした。
相澤先輩が、何を考えているかなんて、知らずに。
「失礼します、藤城先生いますかー。」
「お、羽歌ちゃん復活だね。」
「おかげさまで。」
藤城祐翔先生。
みんなからは普通に呼び捨てで祐翔って呼ばれてる。
私の恩師。
たくさん助けられてるからね。
「そういえばさっき相澤先輩見かけたよ。」
「相澤か…。」
祐翔が深刻そうな顔をする理由はわかる。
だって相澤先輩上手いもん、バスケ。
けど、来なくなった理由が理由だから、誰も何も言えないんだよね。
「羽歌ちゃんから言ってくれない?」
突然の祐翔の発言に驚きの声も出なかった。
言うって…
「相澤に部活来るように。」
…
……
………
「絶対無理!!!」
祐翔むちゃぶり凄すぎるでしょ!
大事な人を失った痛みは形は違うけどわかるからこそ、そんな酷な事言えない。
だって、何もしたくないもん。
しかも、愛美先輩元マネージャーだから尚更。
それ言うなら私の元カレも部員だし…。
「相澤先輩にそんな事言うのは酷だと思う。」
「だよなぁ…俺もそう思う。」
「何が酷なの?」
後ろから声がして思いっきり振り返る。
「あ、相澤先輩…。コンニチワ…。」
「祐翔、今日から部活行くね。」
相澤先輩はそう言うだけ言って職員室から出ていった。
結果オーライ…?
