「どこで?」


 夢が聞き。


「それは・・・本物の先輩か?」


 悠人が聞いた。


 おそらくは、夢の質問の方が一般的な思考の持ち主の言葉だろう。


 だが・・・この場合は、確実に悠人の質問の方が的を射ていた。


 先輩の偽者がいるという発想ではない。


 悠人は魔法使い。


 精霊、幽霊、怪物、妖怪。それに天使や悪魔。それを信じる信じないの次元ではなく、悠人は『居るというコト』を前提に物事を考えるのだ。


 そういう意味で、彼は『本物の先輩か?』と聞いたのだろう。


 自分の思考を読み取り、もっとも会いたいと思われる人物の姿になって現れる妖怪の類話など、どこの国、どこの地域にでもある。


「わからねぇ・・・とりあえず、足はあった。」


 だから、本物と断定することは出来ない。


「お前の見間違いじゃないのか?」


 夢の言葉。


 確かに、良識人ならそんな発想を持ってくるだろう。


 だが・・・・・。