「星の並びが分からないんだな?」


 しかし、そんな言葉をさえぎるように、夢が口を挟む。


「そういうコト。ここ一月夜空がはっきりと見えたことが、一度もないんだよ。月が見えれば良い方だ・・・。コレじゃあ、どんな魔法も使えやしない。」


「・・・・・・星が出てなければ、使えないって・・・お前の魔法はどこまで不便なんだ?」


 思わず、そんな言葉も口に出る。


「だから、魔法は科学に負けたんだ。念のため言っておくが、魔法や占いで相手の居場所を探すより、今の科学捜査の方が、圧倒的に的中率は高いぞ。」


 ・・・・・・・本当にお前は、夢も希望もない『魔法使い』だな・・・。


 少しは、草薙仁を見習え。


「な~んだ・・・残念。」


 そんな言葉を吐いたのは、亜美さん。


 ・・・・・って言うか、分かっていたらどうしたんだよ?


「じゃあ、悠人はこの事件に関しては何も分からないってことか?」


 まったく、何のための魔法使いだよ?


「わからないことの方が幸せなコトだってあるだろう?・・・だいたい、何のための警察だよ?」


 ・・・その言葉に、若干の違和感を覚えたが、あまりつっこむことは出来なかった。


 その後、何となくその話題から外れ、四人は1時間ぐらい談笑してから解散というコトとなった。