神魔〜復讐〜

｢よいしょっと...｣

定員に案内された席に座りメニューを眺める真壁。

私はその真壁の向かえに座った。

｢何か食べますか？｣


｢いや、アイスココアだけで大丈夫だ。｣


｢すいませーん！
ミートソーススパゲッティとアイスココアを｣


こんな時間からスパゲッティか。


｢スパゲッティが来る前に...
倉本さんが聞きたいこととは乱龍のことですか？｣


私たち二人にしか聞こえないような声量で聞いてくる真壁。

さすが鋭い。


｢あぁ。わかってるなら話は早い。
あいつらの居場所、知らないか？｣


一瞬も真壁から目を離さず聞いた。

｢残念ながらこのわたくしでも場所までは分かりませんが、乱龍を潰すおつもりですか？｣

今度は真壁が私の瞳を捉えるように真っ直ぐな視線を送ってきた。


｢...まぁ、そんなところだ。
敵討ちは早いほうがいいだろう。｣


いつの間にか私の目の前に置かれていたアイスココアを一口飲んだ。


｢他に何でも良いから手がかりになるような情報は持ってないか？｣


｢情報屋ではありませんし詳しくは何も知りませんが乱龍の総長はあの代のままだそうですよ。｣


少し...

いや、かなり驚いた。

総長が年ごとに代らない暴走族なんて見たことないから。



｢...高校卒業と共に奴も総長卒業だと思っていたが...想定外だ。｣



｢なんでも、留年したらしいですよ。
でも、まぁそれは理由の一つに過ぎませんけど。

きっと、総長をそのまま務めてるということは、神魔を潰す為でしょうね。｣