カツッ...カツッ...カツッ...
プルルルルーープルルルル
「......颯(はやて)か。どうかしたの。」
未設定のため、そのままにされた着信音。
その音が響くが2コール目でそれを止めた。
『今、嵐狼(らんろう)が襲撃してきた。』
唐突に告げられた言葉。
嵐狼...
No.4という肩書きを持った族か。
「...今から向かう」
今日は私を含む幹部の都合上、私達の族は集まる予定がないから下っ端はいないばす。
幹部とそのほか数人でNo.4を潰すのは難しいだろう。
来た道を戻ろうとする私。
『あ、もう片付けたから。
処分について聞こうと思っただけ』
仕事が早いな...。
「それは、良かった。
処分は颯に任せる。
こっちも用件を済ませて早めに戻る。
そっちは頼んだ。」
『わかった。
総長とは言え女なんだし無茶すんなよ』
「...あぁ。わかってる。」
それだけの会話を終え、電話を切った。
先程よりスピードを上げて歩く。
靴の音がやけに響く屋内駐車場の先に進み、重い扉を開ける。