「怖いの。」

「うん。」


「本当にこのままでやってていいのかなって。」


「だけど、香那は今が楽しいんでしょ?
大変かもしれないけどさ。
今までやったことないことに挑戦するってそういうものだと思ってる。
だけど、今が楽しいならやってみたらいいんじゃないかな。
俺は今まで香那にたくさん支えてもらったからさ。
次は俺の番。
俺が香那を支えるよ。
誰かに何かを言われても、誰かが香那を責めても、香那の作った曲は全部スキ。
香那の思いが詰まってるから、全部それを見てるから。」




こぼれ落ちた涙は止まることを知らなくて。




だけど、これは悲しくてつらい涙なんかじゃない。



それをわかっているから憐も無理に止めようとしない。



憐は優しく私を包み込んでくれて、それがあまりに心地よかったから。



今の時間が止まればいい。



何度願っただろう。