「俺がサッカーを始めるときは俺が背中を押してもらったからさ。 次は俺の番かなって。」 「憐…。」 その日の帰り道。 真剣なまなざしをして憐に見つめられてそういわれたとき、心が高鳴ったのはどうしてだろう。 ずっと前に進めないこと。 ずっとやりたいことに挑戦できずにいること。 すべてをわかっているからこそ、憐は私の背中をそっと押してくれているんだ。 きっとたくさんのことを感じて、たくさんのことを覚えて、たくさんの感情を抱くだろう。 だけど、失敗を恐れたら何もできないっと教えてくれた。