君の隣





「ほらほら、もうやめようよ~!」




気持ちにふたを閉じているからこそ、こういう話から逃げたくなる。



返す言葉が見つからなくて、確信をつかれるのが怖くて。



憐を好きな人からしたらむかつくかもしれないけど、今のこの現状が十分なんだ。



「ほら、もういいから!」

「すぐ、そうやって逃げる―!」

「逃げてないから(笑)」



ば、ばれた…。



軽く女子のからかいやらをあしらいながら、外を眺めた。



ボールを追いかけて、走って外で笑う憐を見ていた。



楽しそうだなぁ…。



憐の笑顔は不思議だ。



憐が笑うと、自分までうれしくなる。



幸せな気持ちになる…。



ずっと憐が笑っていられますように。



それが私の昔からのかつての願いであり、希望なんだ。