「香那。」
「憐。」
「となり、座っていい?」
「うん。」
一人でいるとあまりに悲しくなって切なくなって、どうにかなりそうだったとき。
憐はただ黙って隣に座っていた。
それがあまりに心地よくて、一人じゃないよって言ってもらえてる気がした。
「香那。
無理に笑わなくていいよ。
悲しいときは泣いていいし、つらいときはとことん落ち込めばいい。
皆のために、心配かけないためにって自分を犠牲にしてるの見え見え。
そのほうがつらいよ。」
そういうと、ぎゅっと私の手を握った。
憐の手は暖かくて…。
ー何があっても味方になる
何があっても香那を守るよ。
その言葉をただ信じて、その言葉がうれしくて。
その日、ただただ涙を流した。

