君の隣






私たちのバンド“New Days”の活動はこうして始まった。



今では皆に応援してもらって、音楽活動ができているけれど別に今の活動ができるようになるまで楽なことばかりではなかった。



すべてがうまくいったわけではない。



私の音楽に対する思いは、音楽に対する考えはあまりに甘いもので。



あまりに卑屈すぎて。



なかなか人に理解してもらうには甘えすぎな考えだと思い知らされた。



リーダーに連れられて、今のバンドメンバーの元へ来たとき。



「そんなやつをボーカルとして迎えようと思えない。」



バンドで音楽を一生懸命にやっている人たちから見たら許しがたいことだった。




そんな声を受けながら私の中で生まれたのは“この中で歌うなんてできない”ということ。



私の音楽に対する思いはきっと受け入れてもらえないということ。



すでに出来上がっているこのバンドの空気を崩したくはなかった。



だからやっぱりバンドなんてっと思っていた。




そんな中、私を認めてくれたリーダーが静かに口を開いた。