「だから…?」
「え?」
「別にいいじゃん。」
「ちょ…と…どういう…?」
その話をしたときにリーダーの彼からかえってきた一言は意外な言葉だった。
「誰のために歌うとか。
そんなの関係ないと思う。
とにかく!!俺はお前の歌をもっと聞きたい!
お前の歌をこんなところで終わらせるなんてもったいないことしたくないんだよ。」
「…どうして。」
「俺と組んで、もっと上を目指して、いつかプロになれば。
きっとたくさんの人にお前の歌を聞いてもらえる。
そしたらその幼馴染にだって届くかもしれない。
利用してくれて構わない。
俺らを、俺らのバンドを…」
どうしてだろう。
涙がこぼれた。

