君の隣





「香那。」

「はい。」

「黙ってるだけじゃ…何も解決しないんだよ。」



そういうと、重たい腰を上げて、私を見る。


「…。」


「俺らは皆に音楽を届けたいから音楽をしてる。
歌いたいから歌ってる。
届ける人がいるから、届けたい人がいるから。
伝えたい人がいるから。」



そういうと、私をその場において再びレコーディング室へと向かった。



「今のお前とは音楽をできない。」

「ちょっとま…」

「頼むから、今日は帰って。」

「リーダー!!!」

「今日はやめよう。
今の香那はきっと歌えない。
今の香那の歌を聴きたくない。」



振り絞った最後の一言。



「これ以上俺の好きだった香那の歌を嫌いにさせないで。」