そんなの…。



「私だって一緒だよ。」

「え…。」

「私はね。
憐がプロのサッカーチームに入ってるって知ったのは最近だった。
憐がいなくなっちゃってからその事実がなかなか受け入れられなくて。
その悲しさを消す手段として歌を選んだの。
なんだか歌ってたらすべてを忘れられる気がして。
だけどね。
きっとどこかで憐は頑張ってるんだってそう思うだけでそれが原動力になってたの…。
いつか憐に会いたい。
会えるってなったときに、恥がないようにって。
憐の存在を知って、夢を叶えたって聞いてますます頑張らなくちゃって思い始めた。
ねぇ、憐。
あたしたち、やっぱり似てるね…。」

「うん。
やっぱり似てる(笑)」



おかしくなって笑ってしまった。




そうだよ、笑えて来る。




5年以上も離れていて、言いたいことはたくさんあるはずだったのに。




なんでだろう。




憐の顔を見ていたらすべてがどうでもいいとさえ思えてきて…。