練習場は活気に満ちていた。
スタジアムの中から聞こえる様々な選手の掛け声、それに対するファンの声援。
「今日は公開練習みたいだからな。」
「うん。」
「中、入ろうか。」
そういって前を歩いて入口へと向かうリーダー。
私もそれについていこうとしたけれど、足が…動かなかった。
「香那。」
「あ、ごめん。
ううん、大丈夫。
大丈夫だから。」
そういっても、体は正直なようで。
固く動かずに鎖が私の体に巻かれたように動かなかった。
「リーダー…ごめん。
私…」
「ううん。
大丈夫だよ。
無理するな。
焦らないでお前のペースでいいから。
俺、待つから。」
「ごめんなさい、ありがと…。」
そういって隣にいてくれるリーダーの存在がとてつもなく心地よかった。

