「香那がこれ以上傷つかなければいいの、
香那には笑顔でいてほしいのよ。」
笑顔でいてほしい。
その言葉がたまらなくうれしかった。
「今、ここで会いに行かなくちゃきっと私はこれからも自分の音楽に正面から向き合えないと思うんです。
今も少し前よりは考えないようにはなったけれど、心のどこかに憐がいます。
憐に執着してしまっている自分がいるから。
だからこそ、ちゃんと会って話してあの時に言えなかった言葉を。
あの時聞けなかったことを聞いてすっきりしたいと思ってるんです。」
「…。」
「必ず戻ってきます。
会ってちゃんと自分の気持ちを確かめて、ちゃんとここに戻ってきます。
だって、ここは私の居場所だから。
東京に来てずっと一緒にいてくれて支えてくれた大切な仲間だから、あたしはまたみんなで音楽を作りたいから。」
「お前…恥ずかしがらずによくもそんなことを(笑)」
「そんな風に考えてくれていたのね。」
再びバンドへの思いを再確認した。
私の居場所はここだ。
ほかでもない。
だから私は必ずここに戻ってくるよ。

