「え!」
見せられた雑誌には…。
「憐…。」
「え、知り合い?」
どうして今まで見つけられなかったんだろう。
憐はもうとっくに夢をつかんでいたのに…。
見つけようと思えば見つけられたはずなのに。
「香那?」
「うん、なんでもないよ。」
「そう?
大丈夫?」
「大丈夫。」
とっさの出来事で頭は真っ白になってしまって。
私は何も気にしないように手を動かすことしかできなかった。
憐は夢をつかんでいた。
あの日のお互いが追いかけていた夢をつかんでいる。
それがあまりにもうれしかった半面、何も追いつけてないんじゃないか。
そんな自分自身があまりに悔しかった。

