君の隣






わかってる。



憐が留学したいって言って来たらきっと私は笑顔で送り出したりなんてできない。




憐が留学すると聞いたら音楽なんてやめてしまうかもしれない。




それを憐はきっと知っていた。



憐は私の音楽に対する気持ちの弱さにすでに気づいていたんだ。




だからこそ、私に言えなかった。




自分のせいで音楽をやめてほしくなんてない。




きっと私が音楽をやめるなんて言ったら留学なんてできなくなってしまう。



自分のためにも私のためにも、仕方ない結論だったのだと今になると気づくのにな…。