君の隣






遠まわしだけど…これは。



「勝手にサヨナラしないでよ。」




涙が流れた。




そんなの甘えだって言ったって、最後ぐらいサヨナラぐらい言わせてほしかった。




こんなの憐の勝手じゃん。




勝手に自分に自信なくして勝手に甘えだって解決して、私の気持ちなんて何も考えてないじゃん!!



声を大にして叫んでやりたかった。



だけど、本当は違う。



わかってるんだ。



私を考えてくれているからこその結果だったんだって…。




ただ苦しくて、ただ悲しくて、何もわからなくて。



泣きじゃくることしかできなかった。




憐の思いをしっかりと受け取って前に進もうとしている周りの空気に耐えきれなくて、私はギターを片手にしながら放課後になると路上で一人歌い続ける生活へと変わった。



あの歌はあの日まで作れなかったような歌。




私の思いを込めた歌。



憐への思いを込めた歌。




どうして私を置いていったの?



どうして私に何も言ってくれなかったの?



そんな問いかけたい気持ちをただただ歌に込めて叫ぶように歌うことしかできなかった。