一番に不満をもったり荒れていたのは部活の仲間たちだ。
いきなり試合の後に消えてしまった憐に対して思うことは多くあったみたいで、だけどその中で一人。
憐と仲が良かった竜也くんだけはそれに何も口出しをしなかった。
「きっと俺らは今まで、憐の存在に頼りっぱなしだったんだよな。」
そういうと皆は顔を下へ向けてうつむき始める。
チームの中心に立っていた憐がいなくなってしまったことで、チームは崩壊へと向かいかけていた。
だけど、この竜也くんの一言が全員の心を少しずつ動かした。
「香那ちゃん。」
「はい…。」
「ちょっと話、いいかな。」
ある日突然竜也君に声をかけられて、私は竜也くんとともに夕暮れの屋上へ向かった。