体育祭が大成功に終わったのち、私は憐の試合へと出かけていた。


「ちょっと忘れ物ない?」

「ないよー」

「香那ちゃん。
憐のことよろしくね。」

「はーい!」




心配性な私の母と憐のお母さんに見守られながら私は試合会場へと向かった。




憐が今まで頑張っていたのは知っている。




家の前で待つ千夏ちゃんのところへ行くと、千夏ちゃんが音楽を聞きながら待っていてくれた。



「ついに来たね…」

「そうだね。」


「…なに?
あんたまで緊張してるの?」

「ま、まさ…」

「してるね。」




するに決まってるじゃん。




だって憐が頑張っているのをいつも近くで見てきた。




今日の試合相手は強豪のライバル校で憐にとって特別な相手。




中学生の時に負けた相手がいる学校で、だからこそ負けたくないと憐が言っていた。