君の隣





「香那!」



後ろからかけられた声に驚きを隠せなかった。



「どうして、憐?」


「いや、遠くから見えたから。」


「練習!」


「休憩だって。」



そういうと私の頭にそっとタオルを乗せた。



「何するの!!」


「っぷ。
なにそんなにふてくされたくっらーい顔してんの?
せっかくテーマ曲に決まったのにさ。」


そうだよね。



本当は、もっと喜ぶべきなのに…ね?



なんだかおかしいな。



「初めてのことでさ。
何もいいこと言えないし、自分の思ったことうまく伝えられなくて…。」


「あーなるほどね。
でもさ!!
やるしかないんだからさ!!」


「憐?」


「やらなきゃいけないんだし、お前しかやれるやつがいないんだからさ。
俺は何も言わないけど、ここにいるべきじゃないって…
一番わかってるのはお前じゃん?」