ほら、目を閉じると今でも思い浮かぶんだ。

動かなくなった足。

俺を囲んで叫ぶチームメイト。

そして消えゆく意識の中で最後に見たのは香那の泣き顔だった。



そのとき気づいたのは俺は何のためにサッカーをやっていたのか。

いつも俺がサッカーでシュートを決めると笑って拍手してくる香那が大好きだった。

俺が負けると一緒になって泣いてくれる香那が大好きだった。

何よりも俺のサッカーを大好きだと、俺の試合を欠かさずに見に来てくれて、ずっとそばで応援してくれる。

俺のサッカーは香那の笑顔のためにあるのだと知った。