喧騒たる繁華街から外れた場所に位置する、何処にでもある深夜のファストフード店。




隣に隣接する繁華街は、沢山の光と人々で溢れているが、この店内はしんと静まり返っており、BGMが虚しく響き渡っている。




一面ガラス張りの窓から外を見れば、隣のネオンの所為なのであろう、空は黒ではなく、紺色に染まっていて一度も闇に包まれることはない。




時刻は深夜の二時二七分を過ぎたところ。



そろそろ例の人物がやって来る時間で、私は勤務中にも拘らず、憂鬱な溜息を盛大に吐いた。




扉の開いた瞬間に、毎度お馴染みの音楽が店内に響き渡り、私は精一杯の営業スマイルを浮かべ、声を発した。





只今、二時三十分。