黄昏の千日紅







「…藍川さん?」




瞼をゆっくりと持ち上げる。
視線の先に、真っ白な天井がある。





「良かった、起きた?」





声の主の方へ視線を移すと、保健医の先生が居る。


確か名前は。





「…河村先生」





私が彼女の名前を零すと、先生は愛らしい表情で微笑み、私の頭に手を乗せた。




「三限から気分悪くなってここに来たの、覚えてる?」



「え…あぁ、はい」




そうだ、昔のことを考えてたら突然気分が悪くなって。




化学の授業を受けている時に、保健室に行くと先生に告げたのだった。




窓の外を見ると、もう空はすっかり紅く染まっている。
部活動をしている生徒達が、徐々に片付けを始めているようだ。





「藍川さん、全然目を覚まさないから心配だったのよ。家でちゃんと寝てる?」



「…んーいや、あんまり」



「…そう」





寝ると夢に出てきてしまう。



久々かもしれない、こんなにも深い眠りについたのは。




しかも、気分が悪くなる前に、少しだけ思い出した。





” 約束だよ ”





約束。



…約束?