黄昏の千日紅






私は、二人の娘であると信じ込んでいた。


確かに、顔付きが似てないと近所から囁かれていたのは、幼いながらに知っていた。



私の母親は、子を授かれない体質だったようで、それでも子が欲しかった両親は孤児院にいた私を養子として引き取ったそうだ。



然しながら、育てていくうちに自分達とは全く似ていない顔付き、性格、そして結局自分達の子ではないことへの嫉妬。



弟や妹を産めないことへの哀愁。



子育てへの疲労。






そして、身を投げ出した二人。






警察が捜査をした時には、初春の冷たい海の中で、二人は既に手遅れだったそうだ。



私は、その日にきっとその話を聞いたのだと思う。



両親が死んだと。



しかし、幼い私には生々し過ぎるその辛い現実を受け止められる筈が無かった。




病室のベッドで目を覚ました時に、何も覚えていなかったのはその為であろう。






両親の死の真相を聞いたのは、祖母の最期が迫った時だった。