『 あたしッ 、悠馬くんが 好き ..
  付き合ってくれません か ? 』

私は たまたま 渡り廊下を 通って
旧校舎に 行こうと していた 所 で 、
そんな 声が 聞こえてきた 。

その声の 主は 私が 一番
仲が良かった 田中 るり だった 。

『 ごめん 俺 好きな人 居る んだ
  だから 無理 かな 、ごめん 』

その言葉に 少し ほッとした私
でも それも 束の間 で

『 それってさ 、愛佳 でしょ ?
  あいつさ 援交してるって事
  知ってた ? 』

え 、私 援交 なんて してない 。
咄嗟に 止めに行こう と 思ったけど
そしたら 聞いてた事 ばれ ちゃう ..

『 .. は ?
  お前 ふざけんのもいい加減に
  しろ よ 、 』

悠馬くんの 声色が 変わった 。

『 ッ .. ふざけてなんて ないよ 』

『 嘗めて んの ?
  愛佳は そんな奴じゃない
  お前は愛佳の事 全然 分かって
  ねえんだよ !
  もう 俺に 近付く な よな 』

私は その台詞を 聞いた途端
嬉しさ からか 安心からか 、
渡り廊下に 座り込んでしまった 。
悠馬くんが こっちに 歩いてくるのは
分かっていた が 涙が 止まらなく
なってしま っていた 。

『 .. まな 、か ? 』

泣いている私を 見た 悠馬くん は
不安そう に 私の 顔を 覗き込んだ 。

『 ん 、大丈夫 』

私は 悠馬くん に 余計な迷惑を
掛けたく 無くて
にこッと 笑顔 を 作った

『 無理して笑うなって 、な ? 』

その言葉 に 更に 涙が こぼれ落ちた