『 愛佳 ! 一緒に 滑ろ ! 』

あれから一週間が経ち 悠馬くんとは 教室の 座席も隣 で 仲良くなった

白金高校は 、とても珍しい学校で
入学式を終えて 一週間程 で
一年生 は全員 北海道まで 遠征して
スキー合宿を 行う 。

実は今 その スキー合宿の 真っ最中
なのだ 。

『 やだやだ ! 私 悠馬くん
  みたいに 滑れないもん ! 』

私はどうしてもスキーが苦手で
白金高校に入って唯一不安だったのが
スキー合宿 だった 。

まあ 、私が 悠馬くんに 一緒に
滑って欲しい って 頼み込んだから
健人くん が 滑ろ って 言ってくれてるんだけど ね

『 ほら 、愛佳 。滑る よ 』

そう言って悠馬くんは また
入学式の 時と 同じ様 に
手を 差しのべる 。

私は 少し 恥ずかしく なった けど
悠馬くん も 少しだけ 頬 が
赤く 見えた 。

悠馬くん の 右側 を 手を 繋ぎながら
滑る 私 。
鼻筋が 通っていて 綺麗な睫毛
とても 整った横顔 。

私は 気づかないうちに
悠馬くん の 横顔に 見とれて いた 。

『 きゃッ 』

ちょっとした 凹凸 に 板が
引っ掛かり 緩やかな 坂なのに
大分 派手に 転んでしまった 。

『 愛佳 ?! 大丈夫 ? 』

幸い 悠馬くんを 巻き添えに する事は
無く 、私は 悠馬くんに 板を 外して
もらって 立ち上がる 。

『 大丈夫 ? 怪我は ない ? 』

『 うんッ 大丈夫 ありがとう 』

そう言って 歩き 出そうと 一歩
踏み出したその 時 だった

『 ッぶね 、何 無理してんだよ 』

転んだばかりで 足元がおぼつかない
私は 悠馬くんに 寄りかかる様に
転んでしまった のだ 。

悠馬くん は 私を お姫様抱っこ して

『 歩くの は 危ない し この坂 降り
  れば 本部有る から このまま 行
  こう 。 』

と言った 。

少し 恥ずかしかった けど
足 を 痛めた様で そのまま じっと
している他 無かった

そして 悠馬くんが いつもに増して
格好よく 見えて 、惚れてしまった 。

のかも 知れない