母と妹との、突然の別れ。
父親という存在が幼い頃からいなかったから…
イヴは一人になってしまった。
突然の二人の死。
余りにも突然すぎて、なにも考える事ができなくなった。
何日もの間に、警察にどれだけ事情聴取されたか
駆け付けた叔父、叔母にどれだけ慰めてもらったか
「…………ネロ……母さん…」
だが、精神が安定する日はなかった…
部屋にある大きいベッドの真ん中に倒れ込んでいるイヴは、日が経つにつれて、精神が窶れていった。
もう…意味がわからない
なんで……?
なんでこうなったの?
あの幸せだった時間は、何処にいった?
………誰が…
………誰が奪った?
幸せだった頃を思い出す度、涙が止まらなかった。
そんな日が、何日も続いた。

