俺はゆっくり立ち上がって佐川の手を引いて 自分の胸に閉じ込めた。 逃がさないように 離さないように 自分の心臓があり得ないくらいの速さが鳴り響く中、このもどかしい感情に 自分でも気付かなかったこの愛しい感情に やっと 名前が付いた。 .