「ハァアァァァ………」


放課後。


見事にこってりしぼられた佐川が教室にのろのろとした動きで机に這いつくばった。


「お疲れさん」

「ホントにね…」

答えるのも億劫なのか、苦笑いしながら怨めしそうに俺を見る佐川。


「加島君のせいだからね…」


いじけたように口を尖らしながらポツリと呟く。


「…きっかけは俺でも騒いだのは佐川だから俺のせいではない。

残念だったな、佐川サン?」


俺が口角を吊り上がらせて言えば、佐川は“う゛ぅっ”と頬を赤らめて恥ずかしそうにして、それでも負けじと俺を睨むもんだから、
思わず吹き出してしまいそうになった。


すると佐川がムッとした顔と口調で

「何で笑ってんのさ?」



…それでも顔には出ていたか


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