その日の帰り道



いつもとは違う道のりを行く





自転車を漕ぐその後ろには



俺の



かげがえのない人―――…




あの後、俺は告白せずにハルを離した(決してヘタレではない)。




成り行きとその場の勢いで言ってしまいたくなかったんだ



それは、きっと



他のどんなモノよりも


脆くて、儚い



でも、他のどんなモノよりも


強くて、優しい




そんな、モノだから




そんなモノだからこそ



焦らず、ゆっくり




進んでいこう、と思った






それが



カッコ悪くて、不器用な俺の





恋模様だ










ぜってぇ欲にだけは負けねぇ…






―Fin―


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