こんな近くにひとがいるというのに、何という大胆な告白なんだろうか。
「ごめんな。好きなひとがいるんだ」
大上部長はぽつりと申し訳なさそうに話している。
「好きなひとって?」
「なかなか手が届かないひと」
「……そうですか」
なかなか手が届かないひと、か。
誰なんだろう。
やっぱりあおいさんなんだろうか。
大上部長は一体誰を好きなんだろうとあれこれ考えつつ、自分には関係のない話だと思って開き直ったとき、ドアを開けてすぐにわたしがいたので、大泉さんはびっくりして小さく声をあげていた。
それを不思議そうに大上部長は眺めている。
エレベーターがやってきて、大上部長はすぐに乗っていってしまった。
「あ、椎名さん」
「ごめん、聞いちゃった」
てへへ、とごまかすように笑うと、
「振られたんでもういいですよ」
と口をとがらせて軽く返された。
「積極的なんだね」
「ぐずぐずしてると先にとられちゃうかな、って思って」
「そのバイタリティーわたしにも欲しいくらい」
「椎名サンは好きなひとに告白したいですか? それともされたいですか?」
「わたしは、されたいかな。ずっと告白してたけど、結局うまくいかなくってね。前の彼の場合はナアナアで付き合ってて結局はとられちゃって」
「サイテイな男で別れてよかったじゃないですか。きっと椎名さんにはふさわしい男性があらわれますって」
「そういってもらえてうれしい」
「意外と近いところで出会っていたりして」
「は? どういうこと」
「なんでもないですよ。部長にはカマをかけただけですから」
そういって大泉さんはお茶目に舌をペロリと出している。
「えっ、そんなことを?」
「ガンバってくださいよ、椎名サン」
何を頑張れっていうんだろう。
それよりも大上部長の好きなひとは一体誰なんだろうというのが心にひっかかった。
「ごめんな。好きなひとがいるんだ」
大上部長はぽつりと申し訳なさそうに話している。
「好きなひとって?」
「なかなか手が届かないひと」
「……そうですか」
なかなか手が届かないひと、か。
誰なんだろう。
やっぱりあおいさんなんだろうか。
大上部長は一体誰を好きなんだろうとあれこれ考えつつ、自分には関係のない話だと思って開き直ったとき、ドアを開けてすぐにわたしがいたので、大泉さんはびっくりして小さく声をあげていた。
それを不思議そうに大上部長は眺めている。
エレベーターがやってきて、大上部長はすぐに乗っていってしまった。
「あ、椎名さん」
「ごめん、聞いちゃった」
てへへ、とごまかすように笑うと、
「振られたんでもういいですよ」
と口をとがらせて軽く返された。
「積極的なんだね」
「ぐずぐずしてると先にとられちゃうかな、って思って」
「そのバイタリティーわたしにも欲しいくらい」
「椎名サンは好きなひとに告白したいですか? それともされたいですか?」
「わたしは、されたいかな。ずっと告白してたけど、結局うまくいかなくってね。前の彼の場合はナアナアで付き合ってて結局はとられちゃって」
「サイテイな男で別れてよかったじゃないですか。きっと椎名さんにはふさわしい男性があらわれますって」
「そういってもらえてうれしい」
「意外と近いところで出会っていたりして」
「は? どういうこと」
「なんでもないですよ。部長にはカマをかけただけですから」
そういって大泉さんはお茶目に舌をペロリと出している。
「えっ、そんなことを?」
「ガンバってくださいよ、椎名サン」
何を頑張れっていうんだろう。
それよりも大上部長の好きなひとは一体誰なんだろうというのが心にひっかかった。

