月末もさしかかった金曜日。
休日に近づく華やかな雰囲気と対照的に暗く、重くどんよりとした空気がこの部署内を包む。
気になったのは、森崎さんと安田さんが満足げな顔をしながら仕事をしていることだった。
定時をすぎると、森崎さんと安田さんは揃って席をはずしてフロアを飛び出していった。
自分の仕事が終わったので大泉さんとともに帰ろうとしていたところ、デスクにいた鈴井さんに呼び止められた。
「ちょっといいかな」
「どうかしましたか?」
「椎名さんにちょっと聞きたいことがあるんだけど、いいかな?」
鈴井さんがちらりとわたしをみる。ギラギラとしたその目は何かあるのかな、と察した。
「あの、どうしたらいいですか?」
大泉さんは弱々しく鈴井さんに話す。
「大泉さんは帰っていいよ。お疲れ様」
「……わかりました」
と、大泉さんはこちらを気にしつつ、帰っていった。
「あの、どういった要件でしょうか」
と、鈴井さんのところへ駆け寄ると、
「さて、俺たちの仕事がはじまるから」
と、やんわりとした口調で語る。俺たち、って、と思って、はたと気づく。
「ちゃんとみとけよ」
隣に座っていた戸塚さんがニヤリと笑いながらつぶやいていた。
あおいさんもその言葉にうなづいている。
大上部長は静かに自分の仕事を進めていた。
何がはじまろうとしてるんだろう。これから『カントク』の仕事がはじまるんだ。
しばらくして、満足そうな笑顔を浮かべながら、森崎さんと安田さんが帰ってきた。
「大上部長、ちょっといいですか?」
森崎さんが大上部長を呼んだ。
「どうかされましたか?」
「今日、ウチにきてくれることになって。それで決めてもらいたいんですが」
「どちらの?」
大上部長はあごに手をやり、首をかしげている。
「シーエヌリテーリングの担当者ですが」
「もうじきいらっしゃいますよ」
安田さんは穏やかに話すも、やはりいつもよりにこやかな顔つきに何かが起こるんだろうな、と期待と不安が入り混じった。
休日に近づく華やかな雰囲気と対照的に暗く、重くどんよりとした空気がこの部署内を包む。
気になったのは、森崎さんと安田さんが満足げな顔をしながら仕事をしていることだった。
定時をすぎると、森崎さんと安田さんは揃って席をはずしてフロアを飛び出していった。
自分の仕事が終わったので大泉さんとともに帰ろうとしていたところ、デスクにいた鈴井さんに呼び止められた。
「ちょっといいかな」
「どうかしましたか?」
「椎名さんにちょっと聞きたいことがあるんだけど、いいかな?」
鈴井さんがちらりとわたしをみる。ギラギラとしたその目は何かあるのかな、と察した。
「あの、どうしたらいいですか?」
大泉さんは弱々しく鈴井さんに話す。
「大泉さんは帰っていいよ。お疲れ様」
「……わかりました」
と、大泉さんはこちらを気にしつつ、帰っていった。
「あの、どういった要件でしょうか」
と、鈴井さんのところへ駆け寄ると、
「さて、俺たちの仕事がはじまるから」
と、やんわりとした口調で語る。俺たち、って、と思って、はたと気づく。
「ちゃんとみとけよ」
隣に座っていた戸塚さんがニヤリと笑いながらつぶやいていた。
あおいさんもその言葉にうなづいている。
大上部長は静かに自分の仕事を進めていた。
何がはじまろうとしてるんだろう。これから『カントク』の仕事がはじまるんだ。
しばらくして、満足そうな笑顔を浮かべながら、森崎さんと安田さんが帰ってきた。
「大上部長、ちょっといいですか?」
森崎さんが大上部長を呼んだ。
「どうかされましたか?」
「今日、ウチにきてくれることになって。それで決めてもらいたいんですが」
「どちらの?」
大上部長はあごに手をやり、首をかしげている。
「シーエヌリテーリングの担当者ですが」
「もうじきいらっしゃいますよ」
安田さんは穏やかに話すも、やはりいつもよりにこやかな顔つきに何かが起こるんだろうな、と期待と不安が入り混じった。

