恋する任務は美しい〜メガネ上司の狼さんと訳あり隠密行動〜

横尾さんとともにモニターの照明のほうが明るい部屋を壁伝いに歩き回る。

「ここの業務はね、全社員を管理するオペレーションセンターだよ。その最前線をいくために新たに特別班が結成されている。もちろん椎名さんのいた事業部にも特別班によって指示されて動いていたんだよ」

小さな机の島には2、3人の人たちがモニターをみながらヘッドセットにのびるマイクに向かって何かをしゃべっている。

「みてみる? ほら、こんな感じ」

と、作業をしていた男性からパソコンを借り、横尾さんが手際よくパソコンを操作する。
パソコンの画面にはあくびをしながらエッチな動画をパソコンであさる事業部長の姿が映し出された。

「監視カメラなんてあったんですね」

「表向きの目的はセキュリティ重視なんだけど本来の目的は社員を見守っているんだ」

社員を見守る?
これはすべての社員に対して監視対象であるということなのだろうか。
その前に今からでも現場に向かってそんなものみずに仕事をしろと言いたい衝動にかられた。
疑問がふつふつとわいていると、のんきにパソコン画面をみる事業部長をみて横尾さんはあざ笑っている。

「さて、ちょっと動かしてみようか」

と、横尾さんは器用にキーボードを動かした。
すると、びっくりして立ち上がり、パソコンの電源を消そうと必死になる事業部長の慌てぶりがモニターに映し出され、横尾さんも近くで作業していた社員たちがくすっと笑っていた。