「ふーー」

ガツンッッ

重い音が聞こえる。

「ツーウル〈短剣〉……」

「ツーウル・ラー〈短剣を使う人〉、か?」

「ああ、そうだね。ラーカル・ラー〈重き剣を使う人〉」
彼は言った。そして彼は、俺の首筋にそっとツーウル〈短剣〉を乗せ、つつー、と俺の肩まで来て……ざっくりと、切り裂いた。

「ーー!!」



「おい、また無理したろ、ラルーサ」
「君には関係ないさ、ハルタ」

ラルーサはハルタの薬を勝手にとって、適当に肩に塗り込んだ。

「ハルタ、これは、縫う傷か?」
「いや、たいしたことないさ」
かたかた、とラルーサの手が震えた。

「また、か」
「っ、うるさい!」

ハルタは彼女が、人殺しであることを気に病んでいるのを知っていた。

「今日は?」
「ーー若い、男だ。ラーカル・ラー〈重き剣を使う人〉だった。とても、腕の立つ、な」