「嫌い、だったよ」

「……今は?」

「好き、じゃない」

「嫌いじゃないの?」

嫌いだったよ。春が私を見つけてくれるまではね。

「まあ、夢物語な気がするけど、ね。春は王子じゃなくて、自転車に乗った、おばちゃん並みの家庭力の持ち主だったし」

「ははっ」

「好きじゃないけど、信じてるよ。だってもう叶ったもん。ーー春が私を好きになってくれたからね」

「結由、好きっ!」

「……ばか」

私たちの関係がいつまでも、この青空のように続きますように。 結由より。

ーfinー