確かに、私のせいで、イタリアンのお店には行けなかった。 迷惑もいっぱいかけた。 でも、普段のお兄ちゃんならこんなに怒らないのに…。 私は勇気を出して、聞いてみた。 「ね、お兄ちゃん…。どうしてそんなに怒ってるの?」 「……。」 無視。 「私がいけなかったんだよねッ!ごめんなさい。」 「ごめんなさいじゃねぇよ…」 低い低いお兄ちゃんの声。 それは、あのキスの時以来だった。