講義にはなんとか間に合い。 私たちは安心して席についた。 でも、私の横から嫌な視線が降り注いできている気がする。 「ひかる…覚えときなさいよ…。」 やっぱり間違いではなさそうだ。 かれんは額に汗を滲ませ、 ゼイゼイと息を切らして 苦しそうにしている。 本当に申し訳ないと思った。 かれんは女子大の中でも とても勉強が出来る優等生なのだ。 教授に誉められ、笑顔で返す彼女を見ていると 時々、私なんかが一緒にいていいような人では無い気がしてしまい、 劣等感を感じる。