「俺、家を出ます」 かなたが私たちにそう宣言したのは それからまもなくの事だった。 少し、そんな予感はしていたんだ。 かなたの様子がおかしかったから。 でも、私にはそれを止める術なんて知らない。 私にはそんな勇気も そんな権利ない。 かなたがいなくなるのは 明日だ。