ふと、周りを見渡してみると、 無数の段ボール。 その上には手紙があった。 [圭へ] と、端麗な筆遣いで書かれている手紙は 大切そうに貼ってあった。 「あ、その手紙? それ、俺の母親が書いたやつ。」 「え?」 いけない。 どうやら、 私が手紙を読んでいた事がバレてしまったようだ。 彼は顔を赤くする私を見て ニコッと笑い コトッ…と私の前に 麦茶を置いた。