お兄ちゃんと秘密のキス



「泣くなよ

俺の方が悲しいから。」




パッと下に垂れていた首が上に上がる。



「なぁ、ひかる?」



「…ん?」



「これだけは分かって欲しいんだ。


人間って難しい。
ゆきなだって、俺と愛しあってたはずなのに、
結局"いじめ"の事実は
俺に言えなかった。


だけど、ひかるはちゃんと自分の思いを頑張って口にしてくれた。

それだけで十分だよ。


だから


今日でバイバイだな。」




彼は笑った。



「最後に!
俺から愛の告白、させて?」



私は、頷く事しかできなかった。




「俺は、確かに最初は
ゆきなの事ばっか考えてたかもしれない。


でもな?


今ではひかるを必要としてる。

ひかるが好き。
ちゃんと好き。」





彼の目にも一筋の涙が流れた。