お兄ちゃんと秘密のキス



私が暗くなっていたのを、
彼は見逃さなかった。



「なんか…あったのか…?」


「いや、ちょっと眠いだけだから…」


「なんか俺に言いたい事ないか?」




「…ないよ!!
なんか、心配させてごめんね。

ってか、ほら!
遅刻しちゃうよ。
いこいこ!」


私は無理やり彼の手を引っ張って歩いた。



屋良くんは最初、
何だか納得していない様子だったが、

走っているうちに、
それも無くなったようだった。