──「おはよーお兄ちゃん。」 「おー。」 翌日の朝の会話はこんな風に始まった。 いつも通りの会話が なんだか恥ずかしい。 お兄ちゃんの顔をみるたび、 とんでもない事をしてしまったという罪悪感と お兄ちゃんに抱かれた事を素直に嬉しく思ってしまう気持ちが 私の心を狂わせた。 「朝飯、親父が作ってったみたいだから、食ってけ。」 彼の視線の先には、 焼き魚、味噌汁、ご飯、漬物といった、 料亭のような純和風な朝食が置いてあった。