「ま、俺は引き下がるけど。」 「え…?」 「だってお前、あいつといるとき、かなり顔赤ぇぞ? 恋してんだよ。あいつに。」 お兄ちゃんは、そこで一旦区切り、息を吸った。 「だから、あいつと幸せになれ。 俺、うまく"お兄ちゃん"として接してやるには時間かかるだろうけど…」 そう言うとお兄ちゃんはドアへ向かった。 「さっき、押し倒して悪かった。」 力無く、彼は最後に呟いた。